シリコンバレーから成功を目指す企業をエンパワーメントするサービス「RakuNest」とは?
楽天が米国シリコンバレーにも地域本社を構えているのをご存知でしょうか?
南北アメリカにおけるサービスを統括する地域本社「Rakuten Americas」のオフィスは、サンフランシスコの南隣にあるサンマテオにあります。周辺には楽天とパートナーシップを結ぶNBA「ゴールデンステート・ウォリアーズ」の本拠地もあり、アメリカ国内、さらには世界へと楽天サービスを展開していく拠点として最適なエリアです。
楽天はこの地域本社を拠点として、アメリカを中心に、会員制のオンラインキャッシュバックサイト「Rakuten」の提供をはじめ、広告事業やコンテンツ事業など複数の事業を展開しています。そうした中から生まれた新たなサービスがあります。
その名も「RakuNest」(読み: ラクネスト)。
シリコンバレーから成功を目指す日系の企業や起業家をエンパワーメントしたいという想いから始まったサービスといいます。一体どんなサービスなのか。シリコンバレーで「RakuNest」の運営に携わるKoheiさんに伺いました。
Kohei
2015年に楽天入社後、EC事業における検索改善に携わった後、グローバルデータプラットフォームの立ち上げに参画。2018年にシリコンバレーへ赴任後は、社長室に所属し、 米国における新規事業や事業開発を担当。
シリコンバレーを足掛かりに成功を目指すコミュニティー
――「RakuNest」とはどのようなサービスでしょうか。魅力とともに教えてください。
「RakuNest」では、楽天の米国シリコンバレーにあるオフィスの一部をコワーキングスペースとして提供しています。2018年にサービスを開始し、米国進出中、あるいはこれから進出を予定している日系の企業やスタートアップに所属する方、起業を志している方、投資家の方々を対象に、通常のオフィスとして利用できるスペースを利用プランに応じて提供しています。オフィス内のカフェテリアやジム、シャワーなどの施設も自由に利用していただくことができます。
「RakuNest」にはもうひとつの特長があります。それは単にワーキングスペースを提供するだけでなく、コミュニティーとしての価値を提供していることです。
楽天は、10年以上前にシリコンバレーへ進出して以降、B2C事業、B2B事業、投資、買収などを通じて事業規模を拡大してきました。成功から失敗まで、その中で学び、改善してきた経験を他の日系企業・起業家にも還元すべく、「RakuNest」では勉強会やネットワーキングイベントを定期的に開催し、コミュニティーを醸成しています。
「RakuNest」というサービス名称は、「Rakuten」と「Nest(=巣)」から成る造語で、共に「RakuNest」を通じて成長し、やがて巣立ち、羽ばたいていっていただきたいという想いが込められています。ご利用いただいている方々同士の交流も盛んとなっていますし、シリコンバレーへの出張や視察時等に「RakuNest」を訪問していただける方がとても多くなってきています。
コロナ禍で生まれたオンラインメンバーシップサービス「Digital RakuNest」
――コロナ禍ですと、コワーキングスペースの提供は難しそうですが、どのようにサービスを提供していますか。
実は現在、新型コロナウイルス感染症対策として一時的にオフィススペースを閉鎖しています。
しかし、コロナ禍で世の中の変化のスピードは停滞するばかりか、むしろ速まっています。元々、現地での情報収集やネットワークの構築などを行ってきた会員企業の方々にとって、鮮度の高い情報にスピード感をもって触れることができないというのは、大変厳しい状況です。
このような背景もあり、組織や立場を越えて切磋琢磨できる強固なコミュニティーを作り上げてきた「RakuNest」だからこそ提供できる価値はないか、Withコロナの時代に、次の未来を見据えてチャレンジをし続ける方を応援できる方法はないか、とチーム内で徹底的に考えました。そこで、新たに立ち上げたのが「Digital RakuNest」という月額制のオンラインメンバーシップサービスです。
2020年12月からトライアルを開始した「Digital RakuNest」では、シリコンバレー現地から、米国の最新テックニュースや、注目スタートアップなどの情報、各業界の概況や直近のトレンドに関するレポートおよび解説セッションを提供しています。メンバー限定SNSも新たに開設し、物理的な場所や時差、各メンバーの立場を越え、オンラインを通じても切磋琢磨できるコミュニティーのハブとしての機能を持たせました。
コロナ禍前は、シリコンバレー現地では定期的にリアルイベントを開催していましたが、現在は実際に集まることは難しいので、オンライン飲み会なども実施しています。
――利用者からは、どのような反応がありましたか。
「イノベーションが業界をまたいで進んでいる中で、自社の業界だけでなく、幅広い領域の動向に対して深い洞察が得られるので、大変参考になっている」(旅行大手の会員企業)といった声や、「コロナ禍で横のつながりが作りにくい中で、業界や職種を越えてネットワークが広がったり、意見交換できたりする場は素晴らしい」(保険大手の会員企業)という声をいただいています。
ウェブサイトから、フリートライアルを受け付けていますので、米国進出の検討有無に関わらず、新規事業や事業開発に携わる方々は気軽にお問い合わせいただければ嬉しいです。
物理的な制限に捉われず、つながり合い、新たな価値を生み出していく。非常に前向きなパワーとアントレプレナーシップを感じたインタビューでした。「RakuNest」、そして「Digital RakuNest」をきっかけに、どのような新しい価値が生まれていくのか楽しみです!